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いよいよ中町でも待ちに待ったFlet's ASDLのサービスが8月23日より販売開始されます。当社でも9/2に回線の切り替え工事が行われます。
自称・インターネット&通信工事のエキスパート(工事担任者/デジタル2種&アナログ2種所有)のADSL導入記をここに公開します。
ちょっくらマニアックなコーナーになりそうな予感...

 
NTTへの申込み(08/21)
8/20の夜、何気なくNTT西日本のホームページをチェックしていたら23日より中町でもフレッツADSLの販売開始の案内が飛び込んできました。その夜にほぼ徹夜でADSL関係のホームページを作成、翌日・21日にはNTTに申込みを行いました。

コンサルティング(08/22)
8/22にNTTよりの電話連絡(コンサルティング)がありました(通常は申込み日から3日後にコンサルティングの運びとなるのですが、そこはそれ「蛇の道は蛇」)。担当者と回線の切り替え工事日等の打ち合わせを行いました。以下が当社の申込み内容です。
  1. ADSL回線はFlet's ISDNで使用している回線をアナログに戻して使用する。
  2. 回線は8M・タイプ1(電話機との共用タイプ)
  3. モデムはNTTの8M対応ADSLモデムを買い取りする。(町の助成金を当てにしています。)
  4. 切り替え工事は9/2午前中
  5. マイラインの申込書を送ってもらう。(割引は魅力)
以上の契約内容で初期導入費は以下の通りです。
  • 基本工事費 \1,000円
  • 局内工事費 ISDN→アナログ+ADSL化 \2,800
  • フレッツ契約料 \800円
  • ADSLモデム+スプリッターの買取費用 \18,800円
初期導入費用は合計 \23,400円+消費税になります。

アナログ回線からのADSL工事は-1,000円で、合計金額\22,400円です。

使用機器の選択とNetwork構成(08/26)
本日、注文していたブローバンド・ルータの納期がMailで送られてきました。29日発送の30日の入荷予定ですからADSLの開通には間に合いそうです。今回、当社はNTTの8MのADSLモデムを買い取り、ブロードバンドルータ(※corega BAR SW-4P Pro)で社内ネットワークに接続します。(図-1参照)

図-1 ADSLネットワーク構成

上記構成で安定動作を確認後は、ブロードバンドルーターをLinux Serverに置き換える予定です。(図-2参照)

図-2 ADSLネットワーク構成

※corega SW-4P ProはUPnPには未対応です。Microsoft Messengerの音声チャット等は使用できません。

屋内配線のADSL最適化を考える(08/27)
ADSLは従来の電話線(メタル回線)を利用して、音声信号が使用していない高い周波数帯域を活用するコンピューター通信技術です。この技術では電話回線として使用することを前提に作られている回線網に規格以上の高い周波数の信号を流すために、いろいろな制約や問題が発生します。以下がADSLにおける問題点です。
  • 局線(メタル線)に高い周波数の信号を流す為に、インピーダンスの増大(線路長が長くなる)に従い信号の減衰が激しくなる。
  • 局線にはCATVのケーブル等に施されているシールド処理が無い為、ADSLが使う高い周波数帯域はノイズの影響を受けやすい。
  • 高い周波数の信号を使用する為に、音声信号では問題にならない「手ひねり接続※1」や「ブリッジ・タップ※2」が通信の大きな支障になる。
この為にADSL接続では次のような特徴があります。
  • 線路長の短い(安坂近辺の)地域では高速な接続が期待できる一方、遠距離の地域では接続速度に期待できない(もしくは接続できない)。
  • 回線品質(ISDNのノイズ影響、ブリッジ・タップの有無等)が接続速度に大きな影響を与える。

このような特性を持つADSL回線において、少しでも高速で安定した接続を得るためには、回線の最適化が必要になってきます。保安器※3から局の交換機間の回線は一般ユーザが手出しできませんので、ブリッジ・タップの調査や取り外し等の作業はNTTに依頼することになりますが、保安器より内側の屋内配線の最適化は我々でも可能です(本当は電話工事担任者アナログ3級以上の資格が必要)。
以下がチェックポイントです。
  •  屋内配線チェックし、手ひねり接続があればハンダ付け、もしくは圧着接続に変更する。
    • 家のリフォーム等の理由で電話機の位置が変更になっている場合はお気をつけ下さい。電話の専門業者に回線の引き回しを依頼された場合は圧着接続されますが、電気屋さんは手ひねり接続&ビニールテープ巻きの場合が多いようです。
  •  屋内配線でブリッジ接続されていないか調べる。
    • 複数の電話機を使えるように、局線が屋内で分岐配線されている場合注意が必要です。信号の反射が発生しますので接続速度に影響を与えます。
    • 使用されていない増設ベル・ガス警報機等の配線が残ってないかもチェックが必要です。
    • 使用中の分岐接続された電話機や増設ベル等のアナログ機器はスプリッタの出力に接続する必要があります。
  • ガスの警報器が接続されている場合は、取引先のガス事業所か専門業者にご相談下さい。
※1手ひねり接続
局線の分岐や延長接続などで,銅線同士を手でひねって接続したもの。ハンダ付けや圧着などが行われていないため,電気的な接続としては弱くなる。
※2ブリッジ・タップ
交換機から自宅間で使われていない電話線がそのまま放置されて残っているものです。引っ越しして電話を外してしまった後でも,次に引っ越してきたときに配線が楽なように,電話線がそのまま放置されている。
※3保安器
落雷のサージ電流が屋内の機器に流れ込まないように付けられている保安装置。

NTTのADSLモデム到着(08/28)
NTTのADSLモデムとスプリッタ
本日、NTTより8M/1.5M対応ADSLモデムとスプリッタが届きました。モデムの型式はADSLモデム-MSです。同梱されているのは以下の付属品です。

  • 縦置き台
  • 電話機コード
  • 10BASE-Tストレートケーブル
  • 電源アダプター
  • 取り扱い説明書
  • 保証書
デザインはシャープで好感が持てますが、背面のインターフェイス部は全てプラスチック製で質感に欠けます。見えないところですが...

パソコンとの接続は10BASE-Tのみで、USBインターフェイスはありません。外付けのACアダプターは場所を取りますので電源内蔵タイプにして欲しかった。個人的には周辺機器を選ぶポイントに電源内蔵型をあげています。
NTTからの買取価格はスプリッタ込みで \18,800円。中町から助成金 \30,000円が出るようですから、思い切って買い取りました。

仮工事完了(08/31)
ルート・ハブとルータ&ADSLモデム
切替の準備完了
お客様のADSL切替工事に追われていましたが、そろそろうちも準備をしておかないと9/2の切替に間に合いません。
夕食を終えて風呂上り後から工具箱を持ち出して本邦初公開の秘密基地(屋根裏部屋)へ…

取り合えずブローバンド・ルータを当社のルート・ハブにつなぎ込んで、ルータ本体のIPアドレスを変更。ブロードバンドルータの初期値はNTTのOEMやNTT東京の製品と同じ192.168.1.1になっていました。

当社のGatewayであるISDNルータ・MN128-SOHO SL11と置き換えることになりますので、最終的には192.168.0.254に設定しますが、ネットワークへの仮組込ですから192.168.0.200に設定しました。

ルータ接続後、ブラウザでBAR SW-4P Proの設定画面を軽くチェックしましたが、シンプルなメニュー構成で、MN128-SOHOシリーズを使ってきた私には寂しいかな?ルータの詳細な設定はADSL開通後に時間を掛けて取り組みます。

NTTから買い取った8Mモデムをルータに接続して、ISDN回線からの切替後に接続できるように準備を整えました。

スプリッタ付近の準備
スプリッタ付近の準備
上の写真・左手前の線は保安器からの局線です。現在は左上の線を使ってISDNルータに局線を送っています。ADSL回線に切替後は右手前のモジュラーローゼットに局線を繋ぎ変えて右奥のスプリッタに局線を送ります。

今回は仮工事と言うことで、切替をスムーズに行なえるように手抜き工事になっています。時間ができれば、壁に穴を開けて埋め込み型のモジュラーコンセントを使ったきれいな仕上がりになる予定。(本当か?)

いよいよ開通(09/02)
集合保安器
当社の集合保安器
配線整理後のシステム
本日、いよいよ我が社の通信回線がADSL化されます。前日は嬉しく良くて眠れずに、ADSL接続アンケートのシステムを作っていました。

前日の日曜日は夕方から時間ができましたので、保安器(写真・左)からADSLモデムまでの回線品質を高める為に、局線の入れ替えを行ないました。

現状の局線では、ADSLモデムを接続するのに途中で延長接続が発生しますので、それを嫌いました。「回線品質・命のADSL」ですが、そこまでやるか?のマニア魂です。

通信線の圧着接続
普通はADSLと言えども、上の写真のような圧着接続で十分ですが、ホームページのネタと言うことで…。

切替の工事はNTT内の工事のみですから、NTTからの切替連絡に合わせてISDNルータをLANから切り離して、局線をモデムに接続するだけです。

その後,、すぐに近くのお客様のADSL切替工事に出掛けましたが、帰って来た時には既にLINKが確立しており、インターネットに接続できる状態でした。

あまりにも、呆気ない...。

しかし、軽くブラウザでホームページをチェックしたら、その速さに感激!!BROADBAND SPEED TESTで回線速度を測定しましたら、いきなり6.4Mbpsの計測値が表示されました。

もちろん、その後、近くの知り合いに自慢に走る私の姿が商店街で見られたのは言うに及ばずです。

仕事を終えた後、屋根裏部屋(自称・システム室)の配線整理を行ないました。以前使っていたスイッチング・ハブも不要になり、ブローバンドルータから各ブロックへ直にケーブルを送っています。

上りが遅い(09/14)
中町のADSL接続に関するアンケートの情報が集まるにつれ、自社の「上り」の回線速度が同じような条件下のお宅よりも遅いことに気づきました。

名前 線路距離 伝送損失 上り速度
かずき 様 750m 10dB 769.09Kbps
当 社 800m 10dB 651.88kbps
中町商工会 様 1000m 14dB 716.57Kbps
しの 様 2170m 41dB 706.48Kbps

「上り」はADSLでも低い周波数帯域を使うために「下り」と比較すると線路距離の影響を受けませんが、線路距離が倍以上長い「しの様」よりも遅い測定値になっています。
自称・インターネットと通信工事のエキスパートとしては、この状態を改善できないことには、胸を張ってお客様のADSL切替工事をお引き受けできません(書くことは一人前)。

ってことで、上り速度改善プロジェクトを発動しました。
上りが遅い原因は何か?
当社の場合、「下り」の速度に関しては路線距離(伝送損失)相応のスピードが出ていますから、配線関係に問題があるとは思えません。
となるとノイズ関係?ADSL導入前に心配していたのは、ISDNとの干渉でした。と言うのが当社では商工会のWeb Server用に1回線、店のPOS用に1回線の2回線のISDN回線が常時接続しています。右の図を見て貰ってもわかるように、ADSLの上りとISDN回線が使う周波数帯域は重なっています。

対策と結果 その1
「それじゃISDN回線を切っちまえ!」ってことで、両方のTAの電源を切って回線速度をチェックしました。
結果は....変化なし。う〜ん、がっくり....

対策と結果 その2
屋内のその他のノイズ源を探してみましたが、これと言って思い当たる物もありません。それならノイズ源を絶つよりも回線に乗っているノイズを除去したら?
早速、手元にあったノイズフィルタを回線に取り付けてみました。
ノーマル状態
局線にノイズ・フィルタを装着
ノイズフィルタ無しの状態です。
speed.rbbtoday.com
Date: 2002/09/05(Thu) 03:06:42
Download: 6.66Mbps
Upload: 651.88kbps

ISDNルータに付いていたNFを装着
speed.rbbtoday.com
Date: 2002/09/11(Wed) 21:03:25
Download: 6.67Mbps
Upload: 703.98kbps

局線直結
電源にNFを追加
局線を直結、被覆なしでNFを装着
speed.rbbtoday.com
Date: 2002/09/11(Wed) 21:25:20
Download: 6.67Mbps
Upload: 735.59kbps
ISDNルータに付いていたNFを電源に追加
speed.rbbtoday.com
Date: 2002/09/14(Sat) 22:28:26
Download: 6.67Mbps
Upload: 768.5kbps

結果は上記の通りです。パソコン雑誌等ではノイズ・フィルタはそれ程効果がないと紹介されている場合が多いのですが、当社では「上り」速度で +117kbpsの増速効果が出ました。
結 論
当社ではADSLの上り周波数帯域にノイズが発生しており、回線速度に影響を与えていましたが、ノイズフィルタを回線及び電源ラインに装着することにより本来の速度を回復しました。

ふつ〜に仕上げなきゃ(09/23)
保安器から引いてきた局線をモデムに直結接続したり、普通の家庭では考えられない手法で接続速度のアップを目指してきましたが、そろそろ限界も見えてきました。
仮工事の状態も、いつまでも置いておくわけにもいきませんので、工事の仕上げに掛かりました。

ノイズフィルタはコンセントの裏
短いケーブルを使って回線に接続

この状態でベンチマークを取ったのが以下の記録です。
speed.rbbtoday.com
Date: 2002/09/21(Sat) 23:59:01
Download: 6.64Mbps
Upload: 703.53kbps
Downloadの速度は変わりませんが、Uploadの速度は -65kbpsの減速。

やはりノイズフィルタはケーブルの途中ではなく、モデムに近い場所に付けたほうが効果が上がるようです。ノイズフィルタをコンセントの裏側から外して、知り合いから借りた対ノイズ対策を施した市販のケーブルを使ってベンチを取ってみましたが....

対ノイズ・ケーブル
結論を先に書けば、市販の対ノイズ・ケーブルは、うちの環境ではほとんど効果を上げませんでした。効果が出たのはISDNルータに付属していたノイズフィルタを使った自作ケーブルです(写真左端)。スコアは以下のとおり。
speed.rbbtoday.com
Date: 2002/09/22(Sun) 13:18:54
Download: 6.67Mbps
Upload: 730.01kbps
市販のノイズ・フィルタ系ケーブルはDownloadの周波数帯域に合わせたチューンが行なわれている為に、うちでは効果が出ないようです。

当たり前のことのようですが、Download帯域にノイズが無いのにノイズ・フィルターを入れても速度は上がりません。闇雲に速度アップを目指して対ノイズ製品を買う前に、まず自分のモデムの状況を客観的に判断する必要があるようです。

自作ケーブル
ノイズ・フィルタの効果をより高める為に。写真・左のようなケーブルを自作しました。電話工事用の2芯ツイストペア・ケーブルの片側の被覆を取り去り、ノイズ・フィルタを取り付けたのが味噌。
speed.rbbtoday.com
Date: 2002/09/22(Sun) 23:23:32
Download: 6.67Mbps
Upload: 755.82kbps
やはり、ケーブルの被覆を取ってノイズ・フィルタを装着する手法は、ノイズの除去能力を高める効果があるようです。

配線にノイズが乗っている場合は、高級なツイスト・ペアの対ノイズ加工がしてあるケーブルを使うよりもモデムの入り口部分でノイズ・フィルターで除去する方が効果的なようです。

ノイズ対策を突き詰めていけば、モデムから収容局までの間を全てシールド線に置き換えないといけません。ノイズはモデムの入り口でシャットアウト。

以上の実験結果の末、以下のように配線をまとめました。

ADSLモデム周辺の仕上がり
上のモジュラー・コンセントから出た局線はスプリッタを経由して、自作ケーブルでADSLモデムへ。電話用回線は下のコンセントから自室の電話に送っています。

最後の一押しに、本サイトのADSL情報掲示板の書込みを参考に、モデム電源の極性合わせをやってみましたが、予想以上の効果が出ました。
speed.rbbtoday.com
Date: 2002/09/23(Mon) 10:58:17
Download: 6.67Mbps
Upload: 781.33kbp
当初、頭を痛めていたUpload帯域のノイズ対策もISDNルータに使用されていたノイズ・フィルタを使う事により上手く対処できました。その他、モデム周辺のノイズ対策でUpload速度は+130kbpsの増加となり、大変満足しています。

この結果を出せたのも、ADSL情報掲示に自分の体験談をお寄せ頂いた皆様のおかげです。この場をお借りしてお礼申し上げます。

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